Hallo zusammen! こんにちは、うーさです。
今回はテーマの通りTelc C1 Hochschuleという試験を受験してきたので、まだ記憶が新鮮なうちに体験記を綴っておこうと思います。
試験結果は筆記試験は合格、口頭試験は不合格という結果でした、、!
私個人の感想のほか、試験で登場したテーマについても触れていきますので
今後試験を控えている、挑戦してみたいという方の参考になれば幸いです。
Telc C1 Hochschuleとは?
まずは簡単に受験した試験について触れておきますと、
Telcとは言語検定(主にヨーロッパの言語)を提供するドイツの会社で、The European Language Certificatesの略になります。
今回私はこのTelcが運営するドイツ語の検定試験を受験してきました。
こちらの会社、ドイツの市民大学VHS(Volkshochschule)の子会社が運営しておりドイツ国内ではゲーテに並んで有名な試験の一つです。
実はこのTelc、ドイツ語の試験以外にもヨーロッパの言語やトルコ語、アラビア語などの検定試験も作成しているようですが
ドイツ国外の知名度がどのくらいなのかは私もわかりません。
そしてこのTelcのC1というレベルには大まかに4種類のテストがあります。
- telc C1 スタンダードなC1レベルの試験
- telc C1 Beruf ビジネスや仕事上の場面で使われるテーマや語彙に特化した試験
- telc C1 Medizin ドイツで医師として働きたい人のための語学試験
- telc C1 Hochschule ドイツの大学で勉強したい人のための試験。合格すると大学に出願可能。
C1ってどんなレベル?という方はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
なぜC1 Hochschuleを受けたのか
ちなみに今回、なぜ大学へ行く予定もない私がTelc C1 Hochschuleを選んだかと言いますと、
- 近年の流れでtelcのC1の試験はHochschuleが主流になってきている流れがあること
- (その流れもあってか)普通のC1試験を受けられる日時と場所が少なく、受験したい時期にミュンヘンで受験できる学校が見つけられなかったこと
- C1とC1 Hochschuleの試験がとても似ていると知って、どうせなら知名度の高い試験に合格したいと思ったこと
といった理由です。
ただやはりC1 Hochschuleの方は“大学入学を目指す人のためのドイツ語力”が求められるので、
大学生活に必要なテーマや語彙が多く出てくるのが特徴的です。
学校での授業でも大学でしか使われないような語彙が登場したり、ドイツの大学のシステムを知るところからのスタートだったので初めは苦戦したと同時に、
“大学に行く予定もないのにこんな内容を学んで今後の役に立つのだろうか”とモチベーションが上がらなかった時期があったな、と振り返ってみて思います。
試験当日の流れと概要
今回、私の試験日は金曜日でした。試験開始は午前9時から。前日から公共交通機関が通常通りに運行しているかを確認、無事に時間通り会場に到着しました。
試験の流れは以下のようになっています。
初めにリーディング・読解問題が90分、20分の休憩を挟んだ後にリスニング約40分、その後ライティングで70分で筆記試験は終了です。
1時間ほどの休憩を挟んだ後、午後から口頭試験になります。全てが終わった頃には午後2時半頃になっていました。
筆記試験の受験者は今回私1人だけ。試験官1人と私だけの空間は少し異様な感じがしましたが試験に集中するには最適な環境だったのかもしれません。
この telc C1 Hochschuleに合格するには筆記、口頭試験ともにそれぞれ6割を超える点数を取る必要があります。筆記試験はリーディングとリスニング、ライティングから成り、口頭試験がスピーキングです。この試験のいいところは筆記・口頭試験のどちらだけ合格した場合、全てを再試験する必要がないところ。定められた期間内であれば筆記・もしくは口頭試験だけの再試験が可能です。
Lesen
自分が一番点数を稼げる!と思っていたのがリーディングだったのですが、
終わってみての感想は“知らない単語が思ったより多く、読めた実感がない”でした。
テーマは大体ですがこんな感じでした。
- Teil 1 Entwicklung der schriftlichen deutschen Sprache
筆記・文書のドイツ語の発展 - Teil 2 Abschlussarbeit
卒業論文 - Teil 3 Mehrsprachige Erziehung
多言語教育
テーマ自体はそれほど聞きなれないものではなかったのですが、知らない単語(名詞・動詞)の割合が多く、読み進めるのにとても時間がかかりました。
“ここで正答率を上げなければマズイ”といった焦りもあったように思います。
そしてリーディングの最後にあるのが“Sprachbausteine”です。
こちらのテーマは残念ながら覚えていないのですが、こちらも今まで練習してきた問題よりも少し難しく感じました。
難しく感じた、というのははっきりとわからない文法や、知らない単語の問題割合が自分の予想より上回っていたと解釈していただけると良いかと思います。
私が試験前に使用した参考書・教科書はこちらのMit Erfolg zu… シリーズです。
Sprachbausteineは文法と語彙力を問われる4択の問題です。日本人が得意な問題形式だとは思うのですが、理由がはっきりしていないくてもええいっ!と勢いで解いてしまう私の悪い癖が出るのもこちらの形式です。Teil1から順に解いていったので残り時間が押し気味だったこともあり、回答チェックもおざなりに90分が経過してしまいました。
Hören
筆記試験の中でも一番ニガテとしていたのがリスニングです。
テーマはこんな感じだったと思います。
- Teil 1 Tempolimits auf der deutschen Autobahnen
アウトバーン(高速道路)での速度制限について - Teil 2 Eigenschaften von Pflanzen
植物の特性 - Teil 3 Bedeutung des Spiels in der Gesellschaft
社会における遊び・ギャンブルの意味
C1のリスニング問題ともなると、問題は一度しか聞くことができません。
ここで“どの問題についての部分を話しているのか”がわからなくなってしまうとその後の問題も全く解けなくなってしまうという最悪の連鎖に陥るので、それを避けるためにも集中力は必要です。
今回の私のTeil1のテーマ、高速道路の速度制限などはドイツ国内でも頻繁に、長いこと議論されているテーマです。こういったテーマに関する討論などを聞くのもいい練習になるだろうなと思いました。
それにしてもこのTeil1、すごく難しかった。。リスニングはどの問題も“問題文を読むために与えられる数分でいかに選択肢を深く理解できるか”がカギになると思います!
Schreiben
ライティングは与えられる二つのテーマから一つを選び、350単語以上の作文をするのが課題です。
telc B2の試験では一番自信があったにも関わらず一番点数が低かったのがライティングだったので、今回特に練習に力を入れたように思います。
選択しなかった方のテーマは残念ながら忘れてしまったのですが、私が選択したのが“Haustier(ペット)”に関してでした。
というのもHaustierという単語を見た瞬間、“練習した課題だ!”と瞬間的にそちらを選んだので、もう一つの方の記憶がほとんどないのです。。
練習しただけあって文章の構成を考える時間を省けたのと、いつも時間がギリギリだったところを読み返して修正する時間まで取れたのはラッキーでした。
事前にいろんなテーマについての作文を写経したり、作文したりしたのがしっかり実力になっていたようで、一番点数を稼げたのがライティングという結果になりました。嬉しい!
Sprechen(Vorbereitungszeit)
1時間ほどの休憩を挟み、いよいよ口頭試験です。
本当はこの休憩中にRedewendungen(言い回し・表現)などの見直しやプレゼンの構成を考える練習などをしようと思ったのですが、午前中に集中力を使い果たしほとんど何も手につきませんでした。。
自分でもびっくりするくらいぼーっとしていたら、1時間があっという間に経過。
試験開始の10分くらい前に待合室へ戻ると、口頭試験だけを受けにきた様子の人が数名座っていました。
1人アジア系の女の子がC1の証明書を持っていたので、この子と一緒かな?と思っていたら大正解。
ベトナム出身のその女の子と私が準備のための部屋に呼ばれました。
口頭試験では20分の準備時間が設けられるのですが、課題を読み始めて数分後に“ちょっと待って、あなたがFrau○○?あなたはPrüfungsteilnehmner Bだからこちらの問題よ”とそのベトナムの女の子の解いていた問題と交換させられてしまいました。
問題が配布されてから体感でも1分は経過していたので、相手の子がプレゼンする内容を先に把握するという結果に。
さらには15分ほど経過したところで試験官がやってきて、“試験を始めますので部屋を移動してください。“と一声。
準備時間を担当した女性があと数分あることを伝えると試験官も納得して規程の時間をくれましたが
ちょっと緩すぎやしないかい?!
と思った準備時間でした。
Sprechen Teil1 惨敗のプレゼンテーション
こちらは読む前に理解しておいていただきたいのですが、口頭試験は4点不足で不合格でした。
参考になればとは思いますが、かなり曖昧にしか理解できていない可能性が高いので
へえ、そうなんだ〜くらいに読んでおいていただけると嬉しいです。
・・・・・・
部屋を移動し、試験官2人の自己紹介と試験の概要を説明されたところでTeil1の課題であるプレゼンテーションが始まります。
二つ与えられる課題から一つを選んでプレゼンするのですが、私が選んだのが
- Umgangsformen (an der Schule/an der Uni)
学校や大学での行儀や振る舞いについて
というテーマでした。
こちらのプレゼンテーションなのですが、3分以内に導入・主要部分・結論を含めた構成にするのがスタンダードです。
お恥ずかしながらこのTeil1、6点中0点という結果だったので
与えられた課題をしっかり理解できていなかった可能性が高いです。
こちらもライティング同様いろんなテーマでプレゼンできるように練習をしたのですが、
3分以内に終わらせることができない、自分の用意した型通りに話そうと思うと言葉が詰まってしまう、20分以内で構成を考えることができない・もしくは伝えたいことが浮かばない
など、試験前から準備不足がかなり明白にわかっておりました。。
練習でできないものを試験の本番でできるわけなどなく、
3分以内で終わらせようとするあまり簡潔にまとめすぎた結果、40秒ほど時間を残して終わってしまうという結果に。
試験官から“まだ時間があるので続けてください”と言われた後も結局何を話して良いかわからず、
ただ時間だけが流れて終了という最悪のプレゼンとなりました。
Teil2はもう1人の子がプレゼンした内容を聞き、要約して質問をするのが課題です。
ベトナムの女の子がプレゼンしたのは
- Digitale Medien und Elektrogeräte an der Schule
学校でのデジタルメディアと電子機器について
でした。こちらのTeil2も私が獲得できたのは4点中1点だけだったので、
彼女をのプレゼンをちゃんと理解できていたかは微妙なところ。。
こちらもTeil1同様、試験前にしっかり準備ができていなかったので
正直1点もらえただけでもラッキー。
試験後にそのベトナムの女の子に話を聞くと彼女も口頭試験は2回目で、それなり練習したとのこと。
この子のプレゼン実はすごく上手で、相当勉強したのだなというのが伝わってきました。
何が上手だったかというと、
自由に使える語彙数が多い、特にC1レベルになるとNormalisierung(名詞化)という動詞や形容詞を名詞にして表現するスタイルが好まれるのですが、
それをすごく使いこなしていたように思います。
彼女の合否は分かりませんが、
私もあんな風にプレゼンできれば合格できるかも?というとてもいい指標になりました!
連絡先交換させて!ってお願いすれば良かったな。
Sprechen Teil2
Teil2の課題はディスカッションです。有名な人の言葉や引用を読み、それに対して6分間ディスカッションをする形です。
こちらはどんな課題が出るのか試験が始まってみないとわからないので、自由に自分の考えや意見をその場で表現できる能力が求められます。
ちなみにこちらのTeil2は6点中4点という結果だったので、なかなか良い出来でした。
今回の私たちのディスカッションに使われた引用はこちら。
Bildung ist der Schlüssel zum Erfolg(教育は成功へのカギ)
引用元までははっきりと覚えていないのですが、調べてみるとSalomon Ortizという人のようです。
このBildung;教育・教養・育成などと訳される単語はC1 Hochschuleの試験では頻出する愛されテーマ。
試験前にこのテーマに関してディスカッションをしていたこともあり、自分の考えや意見がなんとなくあったことと、試験前に見たDeutsch mit MarijaさんのYouTubeが参考になりました。
ビデオを見てもらえばわかるのですが、こちらのMarijaさん、試験では引用文に賛同するよりも反対意見を述べる方が簡単だと言っています。
この作戦を私も取り入れることにして、この引用には部分的に賛成だという意見を述べました。
そうすると試験官からなぜそう思うのかと問われ、身近な例を取り上げて説明したところで6分が経過、試験終了となりました。実際には6分から30秒以上も過ぎていたようですが。
私の意見に試験官が彼女の意見を述べてくるという、いかにもディスカッションな形で制限時間切れとなったTeil2でした。
今回のディスカッションに関して、C1レベル相当の語彙で話せていただろうか?と振り返ってもそんなことは全くなく、単語や表現だけで言えばB2レベル程度だったように思います。
ただ、自分の意見を裏付ける根拠を持った上でそれをしっかり表現できてはいたかな、と。
あくまでドイツ語の能力を測るテストなので、その人の意見が正しいとか間違っているが問題ではなく、その人の意見や見解をはっきりと表現できることが重要なのだと再認識しました。
受験後のいまの率直な感想と今後の課題
私がB2試験に合格したのが2021年5月のだったので、C1の試験に望むまで2年半ほど時間を要しています。
B2合格当初は自分がC1レベルに到達するなんて絶対無理!C1なんて雲の上の上の存在と思っていましたが、続ければやはり少しずつ力になるもの。
語学コースにドイツ語のプライベートレッスン、集中的に自分でも2ヶ月ほど試験勉強の時間を取りようやく受験した今回の試験。
できない自分に辛くなって気持ちが激しく落ち込んだ時期もあったけれど、やってよかったと思っています。
自分でも語学の成長を実感していますし、試験のテーマが大学に特化した内容だったとしてもその知識はドイツでの日常生活に確実に生きてきます。
私個人が特に感じているメリットは
- 新聞や雑誌の記事、職場のお知らせなどを読むのに抵抗がなくなった
- Tagesschau(ドイツのニュース番組)の内容が理解できるようになった
- 友人や同僚、バレーボール仲間との会話が怖くなくなった
- 自分の意志をより詳細に、具体的に伝えられるようになった
- 特定のテーマに対する自分の考えや意見を持てるようになった
あたりでしょうか。デメリットはありません!
不合格だった口頭試験はプレゼンテーションの圧倒的な準備不足とC1相当のアクティブ語彙の不足が原因かなと思っています。
自分のひな形を持つことと、アクティブな語彙を増やすこと、実践練習を重ねていくことが今後の課題になりそうです。
おわりに
今回telc C1 Hochschuleの受験体験記、楽しんで読んでいただけたでしょうか。
口頭試験の再試に向けて今後もドイツ語学習続けていきたいと思います。
Man lernt nie aus. 学びに終わりはありません!
ではでは Bis zum nächsten Mal!
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